恋愛倶楽部 -love-

高めの声があたしを呼んだと思ったら

「ゆゆぅ〜、会いたかったよぉ」


想定外にも、あたしに体当たりというツッコミが入ってしまった。


正しくは抱きつかれた、というか何というか。



「いってー‥。
おい、ゆゆ、いきなり思いっきり髪引っ張んなよなー」


痛さ満開な顔して言われましても。


「だって急に抱きつかれたんだから、仕方ないじゃん。
あたしも痛かったわ」


抱きつかれた衝撃でダメージ食らった。


眉間にシワを寄せているであろうあたし。

体を離してその表情を見た可愛らしい男の子。



「ゆゆ痛いの？
ボク治してあげよっかぁ？
痛いの痛いの、奏斗に飛んでけーっ」

「オレに飛ばすなー！！」




奏斗に向けて意味不明な呪いを発動させた後輩。

愛らしさがウリの箕笙風音(ﾐｼｮｳ ｶｻﾞﾈ)。



園芸部と掛け持ちする、恋愛倶楽部最後のメンバー。


外ハネした銀色の髪。

髪の色は、黎緒先輩のを真似たらしい。


初めて会った頃は、クリーム色のふんわりした雰囲気だった。



右腕にはバングル。

首にはスカーフをつけていて、身長はあたしとさほど変わらない。