恋愛倶楽部 -love-



「あたしだって、どうしたらいいかわかんないよ」

だからつらくて、苦しくて。


何をどうしてこうなったのか。

理由が鮮明なら、もっと単純に答えが出せたかもしれない。



それが無理だから、みんなの考え方とか想いが混沌しちゃってる。

進む方向が導き出せなくて、立ち止まるしかできないの。



「みんなの気持ちも……自分の気持ちも、わからない」


望むのは、独りぼっちにならないこと。

ただ、それだけ。



「ゆずゆちゃん、悩みがあるなら話してくれませんか?
私で良ければ、どんなことでも聞きますから」

そっと肩に手を置いて、俯くあたしを覗き込む。


透き通った瞳に見据えられ、閉じていた唇に隙間が生まれた。


相談、というものとは違う気がする。

ずっと答えが知りたいと思っていた難題。


いくら考えても、納得のいく結論にたどり着けない。


「質問なんだけどね、仲間と友達の違いって何だと思う?」

本質的な意味は、いったい何なんだろう。



きょとんとしてから悩んで、斜め上を向いていた大きな黒眼があたしを捉えた。



「仲間と友達は、ほとんど同じだと思います。
ただ、仲間というのは同じ目的を持った人同士を指すのでは?」






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