モノクローム
心の声はそのまま言葉になって表れていたようで、目の前の不細工はついに声を上げて泣き崩れた。
それを取り囲むようにして、同じような顔をした女達が一斉にあたしを睨みつける。

彼氏を寝取られた友人の不幸を共に悲しみながら、そんな友人を泣かせたあたしを許せないといった表情で見つめる一方で、見逃せないのは爛々と光る目の奥。

こいつら、何だかんだで楽しんでいるのよね。美鶴の不幸なんて彼女達にとっては痛くも痒くもないのに。あたしは右側の女に背中をさすられながら、涙を拭う美鶴を少し哀れに感じた。
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