不器用な関係
葉月が青蘭高校に入学してくることは、後輩から聞いていた


俺は高校に入って何人か彼女できた
でも、葉月を想っていた 感情を誰にも感じることはなかった


そして、3月
バスケ部の春休み練習に葉月は顔を出した


もともとMVPに選ばれるような技術を持った葉月は 高校の練習にもすんなり溶け込んでいた


“やべぇ~ あの子超かわいい。俺、早速目つけたからな。”


“顔だけじゃなく、スタイルも抜群じゃん!あの綺麗な脚さわりてぇ”


早くも男バスを虜にし始めた葉月に俺は焦った


「おい!ぼやぼやしてっと 取られちまうぜ!」


巧でさえ、俺を急かした


そして、入学式後
俺は葉月に2年前と同じ言葉を口にしていた


「俺の彼女になって、葉月。」


2年前よりますます綺麗になった葉月
栗色なサラサラなストレートの髪も形の良い柔らかそうな口唇も全てが愛おしくて


「‥はい。」


葉月がそう言葉にした瞬間に彼女を抱きしめていた


細いのに柔らかい身体 甘い香りに回した腕に力が入る


(やっと俺のもの。誰にも渡さない。)


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