【完】ヤンキー女→清楚女『逆高校デビュー』




すると悠斗は、私の手首に巻いてあるブレスレットを外した。





「これは、俺が、大切にしまっておくよ。


桃叶は、これを見ると、傷のことを思い出すだろ・・


苦しめたくないんだ。



桃叶。



俺の傷は治るんだ。

問題は桃叶の心の傷だ。



俺の傷のことはもう、絶対に気にするな」




そう言って、悠斗はぎゅっと抱きしめてきた。


久しぶりに抱きしめられた悠斗は

消毒臭かった。










「悠斗…」



「ん?」

悠斗を見上げると、

さっきのキョトン顔の悠斗がいた。





「キス…したい」






青白い悠斗の顔が、明らかに真っ赤になった。






「病院は…まずいだろ」




悠斗は抱きしめていた腕の力を緩めた。




「大丈夫だよ。誰もいないし」


「いや…そういう問題じゃない」




離れようとする悠斗に


私からキスをした。





「悠斗…好き」





もう一度悠斗にキスをしたら、

悠斗が応えてきた。










< 286 / 308 >

この作品をシェア

pagetop