昆虫戦記
ピューピュー・・・・

「いま、何か聞こえなかったか?なんて言うのかなぁ・・・・・ピューピューみたいな感じかな・・・・」

まことの言葉に
首を、ゆっくり横に傾げる美加子。

ピューピュー

再び聞こえた
奇妙な音に
まことと美加子は
驚いた表情で
顔を見合わせる。

「ほらね!!やっぱり聞こえた!!」

「本当だ!!・・・何の音だろう・・・・」

怯えた様子で
まことに聞く美加子。

「分からない・・・。何の音だか分からない。今は、取りあえず音のする方へは移動はしない方がよいだろう。」

まことが
音のする方以外の方向へ目指そうと
辺りを見回す。

「ピューピューって音・・・どんどん 近づいて来てるわよ・・・・・。」

美加子の言う通り
奇妙な音は
先程と比べ
近付いてきている。

ピューピュー

「ほら、もの凄い速さで、こっちに近付いてきている!!」

何とも言えない恐怖を
覚えたまことは
この場から
一刻も早く去ろうと
思った。

「先を急ごう!!取りあえず、ここにいたら何があるか分からない!!」
ガサササ!!!
バキバキバキ!!!

木々が
へし掻き分ける
音がする!!
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