初恋
「泣いてるの…?」


「えっ…あ、ごっごめっ」



ごめん。そう言おうとした時、愁が私を抱きしめた。




「辛い事聞いちゃったよね、優美ごめんな?」


「ううん…大丈夫…」



俯いて泣きだしそうになった私から何かを悟ってくれたのか、愁は私を強く抱きしめてくれた。


初めて抱きしめられた男の子の腕の中。

緊張とか全くなくて、なんだか暖かい気持ちになれた。



「優美、これからは俺が側にいるよ。優美が寂しくないように毎日一緒にいよう!俺も優美といたいし。」


「っ、愁…ありがと…」




誰かが必要とされてる…?
それが私にとってどれほど嬉しかった事か。
育った環境から、私は誰にも必要とされず生きてきた。

゙一緒にいたい"なんて初めて言われた…。



泣き止まない私を愁はずっと抱きしめてくれていた。
11月も終わりを迎えていた。
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