そら色クレヨン
ふと周りを見わたすと、教室全体がオレンジ色に光っていた。
「もお5時だあ♪帰ろ〜?」
ん〜、と伸びをしてる心愛ちゃん。
「そだね…帰ろっか♪」
私と心愛ちゃんの家は反対方向にある。
だから一緒に帰るっていっても途中まで。
「あっもう別れ道だあ〜」
寂しげに心愛ちゃんがいう。
「また明日も会えるんだし!いいじゃん♪」
「そおだね!それじゃあ、ばいばぁ〜い♪」
大きく手を振ってる姿は幼稚園児のように無邪気で可愛い。
しばらくして心愛ちゃんの小さい背中が見えなくなってから歩きはじめた。
* * *
「よっ葵!!!」
人通りの少ない道を歩いてるとき、誰かが私を呼んだ。
「浜じゃん!」