晒し神
「だからさっき言ったじゃない、単体では何も悪さをしないって、それがステルスの様な感じで、隠れ蓑になっているのだとおもう」

なるほどという顔をしながら市毛が言葉を続けた

「でも、もしそんなウィルスなら、開発者は国というか軍レベルというか、個人では普通は考えられないと思うのですが」

「そのヒントがこの共通する二つのモノにあるかも」
唯はコンコンとペンで資料を指した

「もう一ついいですか?」新人の須藤が

「証言が取れている中に、晒された人が、晒し神を検索したら、画面全てに”悔い改めよ”と出たというのはどうなのですか?」

「ウィルスの一種”ロジックボム(時限爆弾)”や”トロイの木馬”の変形バージョンだと思う」

「有名所ではA Merry Christmas to youとかね」

「十二月二十五日になると、いきなり画面に”メリークリスマス”と出るやつですね」と須藤が言った。

「うん、時間設定や”晒し神”というワードで、発動するものなどを組み合わせれば、不思議じゃないでしょ」

「唯さんってウィルス詳しいですね、流石っす」褒める須藤に

「あ、私、大学の卒論がコンピューターウィルスだったの」唯が微笑んだ。

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