彼女の言うことには【探偵柿沼良介の多難な1日】短編


「う~~む……」


十二月にしてはうららかな、妙に気だるい昼下がり。


柿沼良介(三十歳)は、人生で二番目の難問に直面していた。


一番目は、『彼女にプロポーズするタイミング』だったが、考えようによっては、こっちの方が難問度は上かも知れなかった。


「で、ええと、ゆうりちゃん。それで君は私に、何を依頼したいのかな?」


そう、『依頼』


良介の仕事は、客から依頼を受け調査をするいわゆる『探偵』


とは言っても、そうそうテレビドラマのように、危ない裏組織や殺人事件に遭遇するわけではない。


その殆どは、人捜しや浮気調査がメインだった。


まぁ、ごくたまには危ない目に遭ったりするが――。


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