水島くん、好きな人はいますか。


「学校でも、外でも、京と必要以上に関わるなよ」


そっか……。水島くんとアドレスを交換したこと、バレちゃったのかな。


「万代」


視線を落としてすぐに呼ばれ、数秒沈黙してから頷いた。


……うんざりしてるよね。


顔は見えなくとも、戸口を開けた瞬の背中は疲れているように見えた。


そうさせてしまったのは、わたし。


わたしが約束を破らなければ、今まで通り、ちょっと口うるさい瞬でいられたよね。


だけどね、わたしも、疲れちゃったんだ。


どうすれば過不足なく、瞬と幼なじみでいられるんだろう。もう幼なじみですらいちゃいけないのかな。


そんなこと口にしたら瞬はなんて言うのかな。


でも、全員が認めてくれるわけじゃないって知ってるでしょう? だから水島くんと関わると怒るんでしょう?


その苛立ちは、わたしが面倒事を引き起こすからだよね。


ちゃんと自覚してるよ。
わたしは標的になりやすい、って。


ごめんね。気にしないって笑い飛ばせるわたしでいられたら……なんて、今さらだけど。


きっと瞬が前の彼女と別れてしまう前に、わたしは変わらなくちゃいけなかったんだ。



< 52 / 391 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop