あなたは過去に戻りたいですか?
第二章 過去への扉
「あのぉ、でもどうやって過去へ行けるんですか?そう簡単には行かないんでしょ。こう、なんか呪文みたいなの唱えてなんか爆発してバーンって行ってピューンみたいな?」

私は自分でも意味不明な発言をしていた。

「そんな事は起きはしないよ。水晶に目を向けて過去へ行きたいって願えば良いのさ。爆発なんてもっての他。」

本当に夢というか何と言うか…。

私は水晶を食い入るように見つめた。

本当にこの水晶が私を一瞬のうちに過去へ運んでくれるのだろうか?

水晶の中に写った中学時代の私は友達もいなく地味な性格だった。

東京から福島の学校へ親の事情で転校してきたばかりで、不安だけが残っていた。

誰にも相談出来ずに、学校に行くのが苦痛だった時期も少なくはなかった。

結局、最悪な卒業式を迎え、高校を中退してバイトで稼ぐ生活ばかりしていた。
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