君と僕のエスパシオ
φ
「解けた!」
はっと目を明けると、カーテンの隙間から日の光が差し込んでいる。
いつの間にか寝てしまっていたようだ。体には薄い毛布が掛けられていた。
「フェニアス教授、起きてください。暗号を解読することが出来ましたよ」
「うむ………なに、本当か……?」
まだ半分寝ているように見えたが、教授は目を擦りながら机の影から起き上がった。
部屋のなかに大量の髪とがらくたが散乱していたので気が付かなかったが、この部屋は以外と広い様で、エミリアがいつの間にか寝かしてもらっていた客人用のベッドの他にも、普段フェニアス教授が使っているベッドが置いてあるようだ。
目を凝らしてみてみると、部屋の隅の方にはキッチンのようなものもある。
部屋の構造に改めて感心していると、エドガーが手紙の暗号について話し始めたので、エミリアは急いでテーブルの方を見た。