君想う雲。
一章 君想う夏。

かき氷



「やっばい!うちら学校間に合わないじゃんっ」
「愛美がいけないんでしょー?寝坊なんてするから!」
「だって昨日、彼氏が激しくて激しくて・・・」
「下ネタ禁止〜ほら、早く走るよっ」

真夏の公園を横切る二人。
そう、今日は始業式なのだ。

「二学期早々遅刻って・・・まじないわ〜」

私は愛美の手を引っ張りながら、小さく呟いた。

佐々木 葉瑠
中学二年生。
華奢な体に長い髪。
中学生とは思えない程
落ち着いた顔立ちをしていて、
高校生に間違えられることもしばしば・・・
それが私のコンプレックスでもあったりする。

そして親友の
綾瀬 愛美
同じく中学2年生。
背が高くてスタイルがいい割に、
顔がものすごく幼い。
その愛らしい容姿は
男子はもちろん、
女子までもとりこにする。
つまり私の憧れだ。

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