いぢわる王子様
「なんか、2時間ドラマみたいだね」


「え?」


「碧、眉間にシワよせてうなり声上げてるからさ、昔ながらの『なんとかミステリー』みたいなドラマ思い出した」


ミステリーか。


確かに、そんな感じかもしれない。


「この名前を追っていくと、また新たにS王子の過去が暴かれる!!ってね」


人事だと思い、そう言って笑い声を上げる律。


「もう」


私はムッとしながら焼きそばパンをかじり、すぐるの、あの不安に満ちた顔を思い出していた……。

< 329 / 403 >

この作品をシェア

pagetop