いぢわる王子様
しかし、清子さんはクスクスと笑い、「それだけ知ってれば、十分よ」と言った。


「どういう意味よ……。ちゃんと教えてよ」


「碧さん、あなたまだわからないの? 本当に、鈍感ね」


そう言うと、清子さんはいきなり私の唇にキスをしてきた。


一瞬目を見開き、それから無意識のうちに清子さんを突き飛ばす。


清子さんは後ろの扉に背中を撃ちつけ、顔をしかめた。


なに……?


なに?


なに?


なんなの!?
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