君の声。





*****




「ハァッ…、」




陸ちゃんの家をチャイムを鳴らす。




家には灯りがなく、真っ暗だ。




こんな時間だ。寝てるかもしれない。




普段ならそう思うかもしれない。




でも、頭に何故か陸ちゃんの姿が浮かんで、




無性に泣きたくなって、縋る思いでドアに手を置いた。




キィー‥




微かな金属音がして、陸ちゃんの家のドアが開いた。




薄暗い月明かりに照らされた廊下を見て




「ぁ‥」




家の中に、震える足を踏み入れた。




「…陸ちゃん……?」




壁をつたい、彼の名前を呼ぶ。




呼びかけに応える声はない。




聞こえたのは、
ジャー、、、とよく聞く水音だった。











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