君の声。





†side:雪†




「‥雪ちゃん!!」



「……おばさ‥」




病院に息を切らしながら駆け込んで来たのは
陸ちゃんのお母さんとお姉さんの乃愛(ノア)ちゃん



「雪ちゃん…陸は、陸はどうなったの!?」




陸ちゃんは今、手術室にいる。




あの後私は、すぐに救急車を呼んだ。



それからおばさん達を呼んだ。




手術室の前には陸ちゃんのお母さんと乃愛ちゃんだけでなく、




私の両親やお兄ちゃん。楢橋君と紅ちゃんが来ていた。




「…どうして、どうし、あの子ー‥っ!」




顔を覆って泣くおばさんを、乃愛ちゃんが慰める。




「…バッカ野郎っ‥!」



壁を叩いて、震える楢橋君




俯いて、胸の前で手を組む紅ちゃん




「…陸、」




祈るように、手術室を見る両親とお兄ちゃん




ねぇ、陸ちゃん。




貴方を、こんなにも思う人がいる。




だから、だから




「陸ちゃん…!!」




どうかいかないで。











< 117 / 157 >

この作品をシェア

pagetop