空の彼方へ2

真実

夜…みんなが寝た頃にグレイスは宿を出て公園に行く。


「寒いな…」


グレイスは向かい風に長い髪を揺らしながら呟く。


公園に行くと、リリアはひとり毛布にくるまってベンチに座っていた。


「グレイス」


「ああ…寒いなここは」


グレイスは微笑して町を眺める。


「ここ…案外高い所にあるんだな…町全体が展望できる…」


「てか町を見るためにここ作られたらしいし」


リリアは少し震えながら言う。


「…で、なんでここに呼んだんだ?」


「ちょっとふたりで話したくてね…」


「まあ、俺もお前に言いたいことあるし…」


リリアはベンチから立ち上がり、グレイスの隣に行く。


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