地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
だって、あたしの右手は───……。



しっかりと、術が発動できる印を組んでいたから……。



あ、あたし……無意識に橘くんに対して術を使っちゃったの!?

いくら、触られるのがイヤだったからって。

無意識に攻撃しちゃったよ。


「いってーーなんで突然……」


あたしの術をもろに喰らった橘くんは、痛そうに手首を動かしてる。

まさか、隣にいるあたしが原因なんて、少しも思ってないみたい。

気づかれるよりは良いけど。


いや、良いのかな?


……うん。良いことにしよう。

あたしの力がバレちゃったら、色々と面倒になる。

たぶん、彼は痛みで今日はもう触ってこないだろうし。

セクハラ?になるのかは、ちょっとわからないけど、不快な気分になっていたことは間違いないから。


今日の夜、じいちゃんにお説教をされる可能性が、限りなく高いけどね。


でも、これ以上陸以外に触られるのはイヤだから……。


橘くん、すみませんが痛みに耐えて下さい。


心の中で、両手を合わせて拝んだ。




そして、後日知ることになる。


あたしの使った術は強かったらしく。


橘くんは、左腕を骨折していたらしい。


病院の診断は、疲労骨折となっていたらしいけど。







< 116 / 622 >

この作品をシェア

pagetop