地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
──1時間後。

無事に、咲さんと私の撮影が終わった。


その間───……カメラマンから、杏樹のことをちょこちょこと聞かれた。

歳とか、私との関係、芸能事務所に所属しているのかなど……。


「もったいないなぁ……彼女なら、すぐに雑誌の看板モデルになれるだろうに」


杏樹が、一般人であると聞いて……カメラマンはすごく残念そうに嘆いていた。

あの子……高校の時に色々とあって、芸能界苦手だものね。

今、「モデルやらない?」と聞かれても……「イヤ」としか言わないだろうなぁ。


「柚莉ちゃん、杏ちゃん。行くわよ〜」

「「はい」」


咲さんに呼ばれて、スタジオを出る。

約束通り、遊ぶため。


「さ〜て、まずはご飯食べに行きましょ」


ニッコリと笑う咲さんに連れられて、私達は繁華街へ向かった。
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