地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
教科書、ノートをしまい……忘れ物がないかを確認する。


「正門でタクシー拾うから、そこまでは歩いてね」

「……あぁ」

「ほら、行くよ」


手を掴んで、陸を立ち上がらせようとした時。


「待ちなさいよ!」


──グイッ!


ヤツと腕を絡めていたリカって子が、陸の腕を引っ張った。


……はい?

キョトンとなって、彼女を見る。


「あの……何か?」

「何かじゃないわよッ!なんで陸くんの手なんて握ろうとするわけ!?」

「いや……帰るんで……」


ギロっと睨まれた。

彼女だけからじゃなくって、周りの子からも。

怒りと嫉妬の鋭い視線。


「陸くんに気安く触らないで!!」


……それ……あたしのセリフじゃないの?


キーッと怒り出す彼女に、心の中でため息を漏らした。
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