地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
楽になってもらわなきゃいけないんだけどね。


陸の柔らかい髪をクシャクシャと握った。


「……寝顔だけはカワイイよね」


起きたら、閻魔大王になるけど。


クスッと笑って、イスから立ち上がる。


さてと、行きますか。


「ちょっと行って来るね」


眠ってる陸に、一応告げて処置室を出る。

近くにいた看護師さんに、少し出掛けてくることを伝えた。

点滴が終わる頃には、帰って来れるもんね。


病院を出て、バックから携帯を取り出す。

電話帳から、『北原さん』の番号を探した。

ダイヤルボタンを押して、携帯を耳に当てる。


程なくして……若い男性の声が聞こえて来た。


「もしもし?北原さんですか?」


手早く、用件を伝えた。
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