地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
なんか、やっぱり東雲出身なんだということを痛感する。

零ちゃんは、あたしの真向かいに座ってるんだけど……会長とふたり見比べても、同い年かと疑いたい。

……大人っぽいよねぇ。


だけど、“大人っぽい”と言えば……隣に座ってるコイツも……。


「話が広まるのは早かったな」


片手で頬杖をついて、コーヒーを口に運んでるのは、陸。


「そりゃあ……学生がたくさんいる教室で、キスしてるのを見せ付けられたら……ねぇ?」

「……まったく、陸、場所を考えろよ」


ニヤニヤ笑う零ちゃんと、呆れたというような表情を見せる会長。


「別に良いだろ?周りに知らせるには、あれが1番手っ取り早かった」


呑気に、欠伸をするバカ殿様・陸。


アンタ……そんな簡単な気持ちで、キスしたんですか!?
< 199 / 622 >

この作品をシェア

pagetop