地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
閻魔大王になった陸の表情が、さらに恐ろしいものになる。


「……聞こえなかったか?俺のモンに触るなって言っただろ」


ヒィッ!!

こ、怖いです〜〜!!


「……お前ら、再起不能にされたい?」


ヤツは最初よりも、めちゃくちゃ笑みを深くして……声音は、地獄の底からのように低かった。


──ビクッ


「……ッッ……!?」


男の子たちの体が震え出す。

さすがに、畏れを抱いたらしい。


「今機嫌悪いんだよ。俺の前からさっさと消えねーと……」


あとに続く言葉を考えたのか、彼らの顔は真っ青になった。



次の瞬間───。


「「す、すみませんでした――!!」」


バッと一斉に、近くにいた友達数人まで、男の子たちが陸に頭を下げ……パタパタとショップを出て行く。


その場に残されたあたしは、一瞬の出来事にポカンと口を開けた。
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