地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
真上から見下ろすと、彼女の睫毛が本当に長いことがわかる。

つけ睫毛とか……必要ねーな。

肌も白くて、頬は桜色だし……唇は、さくらんぼ色でプルプルに潤ってる。


あ〜〜……触れたくなって来た。


こうやって見つめていても、杏はテレビを見て、クスクスと笑っている。

全く気づいてねぇ……。

でも。

その笑顔に、自然と俺の心臓の拍動が早くなった。


あ〜……マジで、俺はコイツにメロメロだ。

ホント、出会った時からな。



1番のタカラモノ。




そうだ。

コイツのタカラモノって、何だろ?

聞いてみっか。


「杏」

「ん?なぁに?」

名前を呼ぶと、少し微笑んで……俺の方へと振り返る。


「お前のタカラモノって何?」


杏の髪に指を絡めながら、問い掛けた瞬間───……。



──ピンポーン……


家のインターホンが鳴った。
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