地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
奴ら、妖怪……山姥(やまんば)は、blossomのメンバー6人分の6人いた。

腕をアイドルたちの首に回して、鋭い爪で頬を撫でている。


「イヤアアアア!」

「こらっ! 騒ぐんじゃないよ」


恐怖で悲鳴を上げるアイドルたちだけど、山姥たちに睨まれて、体が固まっていた。

その山姥6人も、一か所にいるんじゃなくて、6人バラバラに散っている。


というか、6人であたしたちのまわりを囲んでいた。

閉じ込められたような感じだ。


「あんたら、おいらたちの風が効かなかったのかねえ?」


ひとりの山姥が、あたしたちを舐め回すように見ながら言う。

パッと、自分以外のみんなを見た。

あたしがいたからか、陸たちには一切ケガがない。

というか、陸だけは強力なお守りをつけさせているから、絶対にケガしないんだけど。


山姥たちは、獲物の彼女たちを得たからか、嬉々としている。

Blossomのメンバーを奴らから引き離さないと、手は出しにくい。


それに、あの人たちアイドルだし……下手にこれ以上ケガもさせられない。

どうしようか?



そう考えて、ふと顔を横に向けた。

隣に居るのは、陸だ。


「ちょっと……手伝ってくれる?」


そっと声をかける。


「あ?」


陸の視線があたしに向けられた。


陸は……この場の人間の中で、霊力が1番上になる。


あたしが霊力を隠しているから、最強になるの。


それを使って……奴らからアイドルたちを引き離す。


今からやることを決めたあたしは、彼に作戦を話した。



「陸、あのね……」




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