地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
いつもの閻魔大王じゃなくてね。
パッと自分でも笑顔になるのがわかる。
――ギュッ
「陸ありがとう! じいちゃんに怒られずに済む!!」
喜びのあまり、ヤツの首に腕をまわして抱き着いた。
やった!
怖い怖い雷は落ちな~い!!
「ハア……まったく、よくこの状況で抱き着いてくるよな」
ウッキウキの中で、陸の呟きが聞こえる。
「ほえ?」
首に回していた腕を解き、ヤツの顔を覗き込んだ。
「ま、それがお前だな。ほら、シャワー浴びて来い。メシ食ってから帰ろうぜ」
「う、うん」
よくはわからなかったけど、陸に勧められるまま浴室へ向かった。
午後10時過ぎ―――。
遅めの夕食をファミレスで済ませて、陸に家まで送ってもらう。
それも、もうあとちょっとだ。
家の前まで来た時……。
――カシャ
小さかったけど、カメラのシャッター音が聞こえた。
「え?」
陸と手を繋いだまま、その場に立ち止って周りを見渡す。
「杏、どうした?」
「なんか……カメラの音、聞こえなかった?」
隣にいるヤツを見上げて問いかけた。
「いや?」
「そう……」
あたしの空耳かな?
うん、空耳だよね。
こんな時間に写真を撮る人っていないよね。
気にしないことにして、家の門に手をかけた。
――カシャン
鍵の開いている門をふたりでくぐり、玄関を目指す。
すると。
「なぁ、前から聞きたかったんだけどさ」
「ん?」
「なんでお前の家って鍵かけねーの?」
パッと自分でも笑顔になるのがわかる。
――ギュッ
「陸ありがとう! じいちゃんに怒られずに済む!!」
喜びのあまり、ヤツの首に腕をまわして抱き着いた。
やった!
怖い怖い雷は落ちな~い!!
「ハア……まったく、よくこの状況で抱き着いてくるよな」
ウッキウキの中で、陸の呟きが聞こえる。
「ほえ?」
首に回していた腕を解き、ヤツの顔を覗き込んだ。
「ま、それがお前だな。ほら、シャワー浴びて来い。メシ食ってから帰ろうぜ」
「う、うん」
よくはわからなかったけど、陸に勧められるまま浴室へ向かった。
午後10時過ぎ―――。
遅めの夕食をファミレスで済ませて、陸に家まで送ってもらう。
それも、もうあとちょっとだ。
家の前まで来た時……。
――カシャ
小さかったけど、カメラのシャッター音が聞こえた。
「え?」
陸と手を繋いだまま、その場に立ち止って周りを見渡す。
「杏、どうした?」
「なんか……カメラの音、聞こえなかった?」
隣にいるヤツを見上げて問いかけた。
「いや?」
「そう……」
あたしの空耳かな?
うん、空耳だよね。
こんな時間に写真を撮る人っていないよね。
気にしないことにして、家の門に手をかけた。
――カシャン
鍵の開いている門をふたりでくぐり、玄関を目指す。
すると。
「なぁ、前から聞きたかったんだけどさ」
「ん?」
「なんでお前の家って鍵かけねーの?」