地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
クイズ番組で山姥の調伏をした日から、約1週間後―――。
あの日のことは、ただのセットの不備があったための事故とされた。
妖怪が出たことは、一切知られてない。
あのアイドルたちも、あたしのことは黙っていてくれるようだ。
「杏ちゃん! これ運んでくれる?」
「はーい」
バイト仲間の万里さんに頼まれて、料理をお客さんのところへ運ぶ。
今日は金曜日で、ただ今バイト中なのです。
「失礼します」
そう言って、客間の襖を開けた。
料理をテーブルに並べる。
「お待たせしました。焼き鳥の盛り合わせと枝豆です」
メニューを言って、お客さんの顔を見ると……その方は常連の……。
「杏樹ちゃんじゃないか!」
「小田さん、こんばんは」
小田正宗さんだった。
以前、接客をした時に、『ぜひ息子の嫁になってくれ』と言ってくれた人。
滝本の会社に勤めていて、どこの部署かは忘れたけど、部長さんらしい。
名刺をもらって見た時にびっくりしたんだよね。
陸と一緒に仕事してる人だとわかったからさ。
あの日のことは、ただのセットの不備があったための事故とされた。
妖怪が出たことは、一切知られてない。
あのアイドルたちも、あたしのことは黙っていてくれるようだ。
「杏ちゃん! これ運んでくれる?」
「はーい」
バイト仲間の万里さんに頼まれて、料理をお客さんのところへ運ぶ。
今日は金曜日で、ただ今バイト中なのです。
「失礼します」
そう言って、客間の襖を開けた。
料理をテーブルに並べる。
「お待たせしました。焼き鳥の盛り合わせと枝豆です」
メニューを言って、お客さんの顔を見ると……その方は常連の……。
「杏樹ちゃんじゃないか!」
「小田さん、こんばんは」
小田正宗さんだった。
以前、接客をした時に、『ぜひ息子の嫁になってくれ』と言ってくれた人。
滝本の会社に勤めていて、どこの部署かは忘れたけど、部長さんらしい。
名刺をもらって見た時にびっくりしたんだよね。
陸と一緒に仕事してる人だとわかったからさ。