地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー

隣でテーブル越しに同じくソファーに座って、お茶を飲む両親ふたり。

いつまでたっても仲がいいよね。


「ご飯食べてきたなら、お風呂入ってきなさい」

「うん」


お母さんからそう言われて、腰を上げようとした瞬間。



とあるモノに目がいった。



「あぁ。また来てたわよ?」


あたしの様子に気づいたらしいお母さんが、“それ”を手渡す。



あたしが目を止めたモノ。


それは……金曜日に届いたラブレターと全く一緒のピンクの封筒。


宛先には、また“神崎杏樹様”と書かれている。


この前と同じように、ハサミを使って封を切ると……。



あの日と、同じ内容の手紙が入っていた――――――。






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