地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー
キャリーバックの中に、着替えや必要なものを詰める。
「なぁ、本当にひとりで行くのか?」
寂しそうな、心配そうな声が背後からして、荷造りをする手を止めて振り返った。
「うん」
床に敷いたカーペットの上にあぐらをかいて座る陸。
「俺も行く」
「ダ~メ。お仕事あるでしょ?」
ワガママを言い出すヤツの前に、腰を下ろした。
7月中旬になり、夏本番はもうすぐそこ。
あたしは、目覚めてから3日目の今日、無事に退院できた。
会長たちは、もうちょっと入院するらしい。
退院する時は、お母さんが家族としてついていてくれたけど、お母さんもそろそろ仕事がたまっていると言って、あたしと陸を家に送り届けた後、会社に向かった。
だからこの家には、陸とふたりっきり。
繭ちゃんは、会長の傍にいたいらしく、今日は帰って来ない。
そして、あたしが家に帰ってきて、すぐに荷造りをしているのには、理由がある。
じいちゃんに、「ばあちゃんのところに行きたい」と言ったから。
ばあちゃんがいるのは、京都。
そこにも、あたしのお父さんの弟である、翠叔父さんもいる。
ばあちゃんと翠叔父さんに、ちょっと力を借りたいんだ。
「なぁ、本当にひとりで行くのか?」
寂しそうな、心配そうな声が背後からして、荷造りをする手を止めて振り返った。
「うん」
床に敷いたカーペットの上にあぐらをかいて座る陸。
「俺も行く」
「ダ~メ。お仕事あるでしょ?」
ワガママを言い出すヤツの前に、腰を下ろした。
7月中旬になり、夏本番はもうすぐそこ。
あたしは、目覚めてから3日目の今日、無事に退院できた。
会長たちは、もうちょっと入院するらしい。
退院する時は、お母さんが家族としてついていてくれたけど、お母さんもそろそろ仕事がたまっていると言って、あたしと陸を家に送り届けた後、会社に向かった。
だからこの家には、陸とふたりっきり。
繭ちゃんは、会長の傍にいたいらしく、今日は帰って来ない。
そして、あたしが家に帰ってきて、すぐに荷造りをしているのには、理由がある。
じいちゃんに、「ばあちゃんのところに行きたい」と言ったから。
ばあちゃんがいるのは、京都。
そこにも、あたしのお父さんの弟である、翠叔父さんもいる。
ばあちゃんと翠叔父さんに、ちょっと力を借りたいんだ。