地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー


「では、素人が陸くんに呪詛をかけたというのだな?」

「うん」


じいちゃんの言葉に、コクンと頷く。

ここは、神崎家・じいちゃんの自室。

夜も深まった午後10時。


今日は、陸の呪詛のことで家に駆けつけた翌日。

昨日は、あのまま陸の部屋に泊まり、数時間ごとに瘴気の浄化を行った。

今日は、ふたりで大学に行き、呪詛のことを報告するため、自宅に帰って来たんだ。


陸は、講義終了後。

自宅に帰り、安静にしている。

呪詛の大半を除いたから、だいぶ動けるけど……無理はさせないようにしたい。


「それで、これが……撫で物で移した呪詛」


まっ黒な風呂敷で二重に包んだ木箱を、ゆっくりと開けて、じいちゃんに見せた。

あたしも、1日ぶりに見た撫で物の紙は、頭の部分だけが異様に黒く焦げたようになっている。


「ほお~五寸釘を、頭に打ち込んだのか」


紙を見たじいちゃんが呟く。


「誰の仕業だと思う?」


木箱にフタをして、もう一度風呂敷に包みながら問いかけた。


「陸くんに怨みを持つヤツじゃろう? ワシが知るわけない」

「ですよね~」


アハハ……と乾いた笑いを返す。


陸にも聞いてみたけど、見当もつかないって言ってたしね。

そんな恨まれるようなことしてるのかな?


犯人捜し……結構難航しそう。

はぁ~と、頭を抱えた時。


「そうじゃ。恨みを持つ人間より、藁人形の方が見つかるじゃろう」


じいちゃんが名案をくれた。

藁人形!


その手があった!!

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