地味子の秘密 其の五 VS闇黒のストーカー


「はい……」


彼女は、箱にサインをして、荷物を受け取る。


「では、ありがとうございました!」


ペコッと一礼をして出て行く集配業者。



玄関には、俺らだけが残された。



「樹里? 何が届いたんだ?」


親父さんがお袋さんに歩み寄って、受け取った荷物を覗きこむ。



「え? あぁ……なにかしら」


そう言って、彼女も伝票の品物欄を見た。


だが……。


「「え?」」


杏の両親が口をそろえて声を上げた。


「樹里ママ? どうしたの?」


松沢が、彼らが持っている箱を見る。


そして。


「これって……例のストーカーからよ!」


そんな声を上げた。



――ビリビリッ


お袋さんが、箱にフタをしているガムテープを乱暴にはがす。


やがて、箱のフタを開けた。

――パカッ……


お袋さんが、開けた瞬間。



「キャアアアアア!」


――ボトッ

持っていた箱を悲鳴と同時に床へ落とす。
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