バケバケ




モニターに洋子が二人…



洋子は偽洋子に会ってしまった。


今の俺は檻の中だ。


さっきからがんばっているがまったく壊せない。




「無駄だって、その檻俺が作ったんだぜ?壊せねぇって!」


モニター前の回転イスに座っていた灰音がイスごとこっちに来た。


「うるさい。やってみなきゃわからないだろ。」


「そう?ならいいけど。」


灰音はまたモニター前に戻ろうとする。




おかしい…


こいつの目的は俺の研究だったはず。


だったら俺だけ拉致すればいいだけの話だ。


それなのにこいつらは俺を檻に閉じ込めて洋子を…



そもそも俺の拉致だけが目的なら偽洋子を使って俺をここまで連れてきた時点で目的は達成されたはずだ。


なんでこんな面倒なことをして洋子を巻き込むんだ?



「おい、待てよ。」



「んぁ?」



「お前…何がしたいんだ?」


「はぁ?それはさっきも言って…」


「違うだろ!」




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