社長のご指名 *番外編Ⅱ*
人間って難しいと思う。





ほんの些細な言葉で傷付いて、ほんの些細な言葉で幸せの絶頂のような気持ちになれる。





章菜が近くにいるだけで、手を伸ばせば届くところにいるだけで幸せ。





夫婦の営みをする気満々だったけど………目に入れても痛くないほど可愛い子供達と一緒に寝るのも幸せ。





目を瞑り、そろそろ寝るかという時に唇にソッと当たるもの。





「今日はごめんね。続きは明日。」




目を開ければ、申し訳なさそうに俺を覗き込む章菜。





俺も微笑み返し、ナイトランプを消して眠りについた。





人それぞれ、幸せの基準は違うが俺はこういうのが幸せで堪らない。





章菜がいる限り、紗衣がいる限り、鈴がいる限り俺の幸せは死ぬまで続いていくんだと思う。




-END-


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