【BL】ひらゝ舞ふ
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田園に大きく構えた其の館は権力を誇示するには十分過ぎて、一目で格の違いをしらしめる。

贅を凝らした建物を個人で所有する者は極小数で、その中でも北王子の生家は芸術性に富んでいた。

外は一見、洋館なのだが、内装は日本家屋らしさが漂う。

北王子兼松が政治の次に嗜むものが芸術だった。

其の入れ込みようは三男実朝を巴里に芸術留学させ、衣食住不自由なく仕送りするほどだったという。

兼松が倒れ、後遺症で足が麻痺してからは政治の方は次男真造に任せ、都心を離れ隠居したと思われた。
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