三角形(仮)



『…もしもし』


俺は眠そうな声で出た。


―『もしもし?すぐるぅ久しぶり〜。ごめんね、起こしちゃった?』

『…別にいいよ。どーした?』

―『あのね、今から出て来れない?』

『うーん…』

―『友達とね、渋谷に来てるんだけど、すぐのこと見たいんだって!…ダメ?』

『……ダメではないけど‥』

―『じゃ良いじゃん!カフェで待ってるからね。着いたら連絡してね』

『…わかった』

―『じゃまた後でねー』


ブチッ


彼女の方から誘ってくるとは…いつぶりだろう。

眠いが彼女の貴重な誘いを無駄にはできない。


俺は眠い身体に鞭打って、シャワーを浴び、支度を始める。





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