水色のエプロン
でも、どうしてそんなプードルのカットが生まれたか?
もちろん、そこにもちゃんと歴史と意味が存在する、もともと水猟犬だったプードルは、水辺の猟を得意とし、水中での作業もこなした。  
しかし水辺の仕事で濡れた被毛は重く、そこで作業の効率を上げるために水中などで毛が水分を含んで重くならないよう、余計な被毛をカットしたことがトリミングの始まりとなった。胸と足の毛を残すのは、冷たい水から心臓と関節を守るため。現在はスタンダードに近づけるため、欠点を隠すためのカットだったり、より美しさを追及したカットがどんどん生まれている!そうトリミングは日々進化しているのだ。
 なんだか最初から凄く熱いトークしちゃったけど、プードルだけじゃない。全ての犬種、飼い主さんやトリマーのセンスによっても日々沢山のスタイルが生まれている。
犬は私たち人間と、ずっと昔から沢山のつながりがある。トリマーとは、そんな犬と人とが快適に暮らすために無くてはならない職業なのだ!
だけど私は、この職業の素晴らしさを本当は全くわかってはいなかった・・・。
 
私にその本当の素晴らしさを教えてくれた物。それは古びた弊店間際の一軒のペットショップの倉庫で眠っていた、これも古びて汚れきった一枚の、水色のエプロンだった。

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