メルヘンてぃあら
真実




「あら、どこに行くの?」


「え…あ……」


ズキン……



少女は先程に増して、胸が痛むのを感じた。


行ってはいけない。と、言い聞かせても、少女の身体は意識に反するように扉に手をかけ、庭園に向かおうとしていた。




「その…用事が…」


「…気をつけて言ってくるのよ…王子を待たせる事なんてどうって事ないんだから。走らず行きなさい」



ノエルの口から思いもよらぬ言葉。


少女は目を丸くし、ノエルを見つめた。





< 11 / 17 >

この作品をシェア

pagetop