妖魔05~正道~
「お前は飽きさせないくらい、美味だった」
「本当、そなたは変わらぬな」
お互いに笑顔になりながらも、別れの時間は近い。
「すまぬ」
龍姫は、顔の位置を合わせるために膝を付く。
「私の起こした事だ」
「ずっと、共に生きておると、思っておった」
少女のように、涙を流す。
「生を受ければ、死は常に隣り合わせ。それが今日だっただけの話」
「別れは、嫌じゃ」
「私も、お前を味わえなくなるのは、残念だ」
「吟、ワラワもいつかそなたの元に行く」
「その時にでも、また、味あわせてもらう」
龍姫は吟の頬にキスをし、立ち上がる。
「後は、そなたに任せる」
龍姫は褐色の娘と久遠を説得し、三人で部屋を出て行った。
「王女様」
少し離れた位置からロベリアが声を上げる。
「ロベリア、お前が丞を守れ」
「はい」
「必ずだ」
「私の翼で王子様の全て守ります」
「それと、お前のもち肌を丞にも味あわせてやれ」
「はい」
短い会話でも、二人は満足したような空間を作り出す。
「では、ごゆるりと」
ロベリアも、部屋から出て行く。
残ったのは俺と吟だけになる。
「本当、そなたは変わらぬな」
お互いに笑顔になりながらも、別れの時間は近い。
「すまぬ」
龍姫は、顔の位置を合わせるために膝を付く。
「私の起こした事だ」
「ずっと、共に生きておると、思っておった」
少女のように、涙を流す。
「生を受ければ、死は常に隣り合わせ。それが今日だっただけの話」
「別れは、嫌じゃ」
「私も、お前を味わえなくなるのは、残念だ」
「吟、ワラワもいつかそなたの元に行く」
「その時にでも、また、味あわせてもらう」
龍姫は吟の頬にキスをし、立ち上がる。
「後は、そなたに任せる」
龍姫は褐色の娘と久遠を説得し、三人で部屋を出て行った。
「王女様」
少し離れた位置からロベリアが声を上げる。
「ロベリア、お前が丞を守れ」
「はい」
「必ずだ」
「私の翼で王子様の全て守ります」
「それと、お前のもち肌を丞にも味あわせてやれ」
「はい」
短い会話でも、二人は満足したような空間を作り出す。
「では、ごゆるりと」
ロベリアも、部屋から出て行く。
残ったのは俺と吟だけになる。