妖魔05~正道~
段々、眠くなってくる。
虚ろな世界の中で、ロベリアは微笑む。
まるで母親のように。
優しく髪を撫でる感触が、とても気持ちがいい。
「王子様」
「ん?」
「例え、あなたが誰かを好きになったとしても、あなたの事をお慕いしたいです」
ロベリアの気持ちは解っていた。
ずっと、彼女は言ってくれていた。
でも、どうする事も、出来ない。
俺の気持ちを知っていてか、笑顔を崩す事はない。
俺の曖昧な態度が、ロベリアを苦しめているのだろうか。
「ロベリア」
「今は、ゆっくり羽を休めて」
そっと、軽く口付けをする。
彼女の甘いニオイが俺の鼻腔に広がった。
彼女との触れ合いは初めてだった。
虚ろな世界は、瞬く間に速度を上げていく。
瞼が次第に、重くなる。
「俺は、お前に、何もしてやる事が出来ない」
上げた手をロベリアの温かい手で覆う。
「王子様の温かさだけでいい。他は、何もいらない」
握った手を頬に当て、何かを感じ取っている。
「ありがとう」
ブレーカーが落ちたかのように、俺は眠りへと落ちた。
虚ろな世界の中で、ロベリアは微笑む。
まるで母親のように。
優しく髪を撫でる感触が、とても気持ちがいい。
「王子様」
「ん?」
「例え、あなたが誰かを好きになったとしても、あなたの事をお慕いしたいです」
ロベリアの気持ちは解っていた。
ずっと、彼女は言ってくれていた。
でも、どうする事も、出来ない。
俺の気持ちを知っていてか、笑顔を崩す事はない。
俺の曖昧な態度が、ロベリアを苦しめているのだろうか。
「ロベリア」
「今は、ゆっくり羽を休めて」
そっと、軽く口付けをする。
彼女の甘いニオイが俺の鼻腔に広がった。
彼女との触れ合いは初めてだった。
虚ろな世界は、瞬く間に速度を上げていく。
瞼が次第に、重くなる。
「俺は、お前に、何もしてやる事が出来ない」
上げた手をロベリアの温かい手で覆う。
「王子様の温かさだけでいい。他は、何もいらない」
握った手を頬に当て、何かを感じ取っている。
「ありがとう」
ブレーカーが落ちたかのように、俺は眠りへと落ちた。