妖魔05~正道~
直向な愛
「ああ、姉さん、本当に、待ったよ」
四天ビルの内の一つ、増長ビルの一室。
ロベリアのコアを見つめたまま、自分の体を持った女は愛を囁いた。
ロベリアのコアは語る事はない。
だが、女の言葉は届いていた。
あるのは戸惑い。
あるのは母性。
あるのは霞がかった懐かしき心。
しかし、ロベリアは理解出来なかった。
女が自分に向けた言葉を。
内なる自分を真に理解していないから、奥底にまでは届かなかった。
女の隣には、静かに座っている女がいる。
「悲しまないで、千鶴には私がいる」
「ジャスミン、私はあの人を傷つけるために、手術を受けたんじゃない」
女は涙を流し始めた。
「あなたの傷は私が癒してあげる」
頬の涙を指で掬い取り、髪を撫でる。
「私は、会って、話をしたかっただけなのに」
嘆く千鶴。
ジャスミンは千鶴の気持ちは痛いほどに解っていながら、心は姉一色であった。
四天ビルの内の一つ、増長ビルの一室。
ロベリアのコアを見つめたまま、自分の体を持った女は愛を囁いた。
ロベリアのコアは語る事はない。
だが、女の言葉は届いていた。
あるのは戸惑い。
あるのは母性。
あるのは霞がかった懐かしき心。
しかし、ロベリアは理解出来なかった。
女が自分に向けた言葉を。
内なる自分を真に理解していないから、奥底にまでは届かなかった。
女の隣には、静かに座っている女がいる。
「悲しまないで、千鶴には私がいる」
「ジャスミン、私はあの人を傷つけるために、手術を受けたんじゃない」
女は涙を流し始めた。
「あなたの傷は私が癒してあげる」
頬の涙を指で掬い取り、髪を撫でる。
「私は、会って、話をしたかっただけなのに」
嘆く千鶴。
ジャスミンは千鶴の気持ちは痛いほどに解っていながら、心は姉一色であった。