食べちゃいたい。
「これ、あたし...っ」


画面には



"妹を食べるまでの記録"


とタイトルいうタイトルに制服姿のあたしのーー写真らしきものが..。

手紙の内容がフラッシュバックする。

あたしは羽賀君と顔を見合わせ、羽賀君の手から携帯を受け取りその画面をもう一度見つめた。


気味の悪い真っ赤な熟れた苺みたいな赤いバックに文字は蛍光緑。
タイトルの下にはあたしらしき女の子の写真が貼ってある。
目線にモザイクが入っているが...この制服にこの髪型、口元にある黒子、大きめな口.....あたしだ。

それをさらにスクロールさせていき、"初めに"と書かれたメニューをクリックした。

「唯いいぃい!開けろおぉおおぉお」

ドアを蹴破れるのも時間の問題だ。
あたしは咄嗟に羽賀君を信じた。
何故あの時、羽賀君を信じたのかは今だによく分からないけど。あたしは大好きだったお兄ちゃんよりただのクラスメートである羽賀君を信じた。
話したことさえ数えるほどしかない羽賀君を。

あたしは羽賀君にあたしの携帯を渡す。
そして口パクで警察に連絡して、と伝えると頷いた。

羽賀君が警察に連絡しているのを確かめてから、あたしはもう一度、携帯の画面に視線を移した。
そこに書かれていた内容にあたしは心臓をわしづかみされたような、気分になった。

< 19 / 22 >

この作品をシェア

pagetop