スティグマ~いつかあなたへと還る~
「よかったな」


 ダーナが言う。


 河へと続く流れへ木箱を小舟に乗せて送り出す。


「なにがだ」
 

 それを見送りながら、少女が言う。


 十分な水浴で現れたのは黄金の髪の少女。


 白皙の美貌。


「ルナに出会えたろう。わたしは奇跡だと思うぞ」


「へえ、じゃ、あたしはうんがいいんだ?」


「そう思うか? 実はわたしもそう思う」


「だけどさ……あたしはマリアのことわかってなかったんだなって思うよ」


「ああ!」




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