神風

「由那、帰るぞ。」


まだ何が大変なのか分かっていない彼は言った。


あたしには分かった。


おそらくあの子のこと…


「かばん貸して。」


「ダメ。自分のものくらい自分で持つから。」


そう言ってあたしたちも校門を出た。
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