神風

「新条っ!」


運動場に向かって叫ぶ。


パラパラと人が散らばっていた。


そこには野球部もいた。


顔を上げる1人の少年。


あたしの姿が確認できるとこっちに走ってきた。


「どうした?」


「ちょっと手伝って。着がえてからでいいから。」


「え?着がえる?」


「由那が危ないんだって。」


「分かった。」


彼はシャツを脱ぎながら走っていった。
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