神風

「今回も賭けようか?」


「俺が次に行ったら、2人でお出かけしようか。もし行けなかったら…」


「いけないことなんてないんでしょ?やる前からそんなん言ってちゃ話になんないし。あたしが考えとくから。」


実は知ってる。


彼のタイムじゃ次にいけないことぐらい。


彼も知ってるはずだ。


1秒も足りないのだ。


その壁は吹奏楽なら小さいけど陸上では大きい。


越えることが難しい壁。


あたしが知ったかしてもしょうがないけど。
< 65 / 274 >

この作品をシェア

pagetop