かけがえのないもの
「あーあ。せっかく可愛い妹が会いに来てるのに、お兄ちゃん嬉しくもなんともないんだ…」

瑠奈はたちまち泣きそうな表情になる。

「ごめん…会いに来てくれて嬉しいけど…ただ何か心配になっちゃって。」

困り果てた様子で瑠奈を慰める隼人。

やはり今日の瑠奈は様子がおかしい。

「ありがと、お兄ちゃん。」

瑠奈は顔を上げて微笑んだ。

隼人にはそれさえ作り笑いのように思えた。
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