かけがえのないもの
「でもとにかく、瑠奈が元気そうで安心したよ。」

「お兄ちゃんそればっかり。」

呆れたように言う瑠奈の表情は、それでも嬉しそうだった。

「だって…一人暮らししてからずっと心配だったからさ…寂しがってるんじゃないかって。」

「大丈夫だよ。お父さんも休みの日とか色んなとこ連れてってくれるし、お母さんも今までより側にいてくれるから…それに、こうやって時々お兄ちゃんとも会えるし。」

瑠奈は真っ白な歯を見せて笑った。
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