かけがえのないもの
ふと時計を見ると、11時半を回ろうとしていた。

「やばっ。もうこんな時間じゃん。」

「ほんとだ!おしゃべり楽しくて時間忘れちゃってたよ!」

「そろそろ帰った方がいいんじゃないか?父さんも母さんも心配してるだろ…送ってってやるよ。」

そう言うと、瑠奈は首を横に振った。

「…ううん。帰りたくない。」

「何で?やっぱり喧嘩したとか?」

「違うの!…その…何て言うか…」

瑠奈はまた立ち上がって隼人の隣に座ると、頭を隼人の肩に乗せた。

「ずっとお兄ちゃんと一緒にいたいなぁ…なんて。」
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